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工事ストップによる増税トラブル防止策

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工事ストップによる増税トラブル防止策

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏
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まるわかり消費税第5回 ~工事ストップによるトラブル防止策~

消費増税がらみのトラブル事例発生 まずは直ちに事実の報告を

 これまで、住宅業界専門弁護士として、1年以上にわたり「消費増税時には、トラブルが起こるだろうから、トラブル回避策に努めてください」と書籍まで出版して、口酸っぱく申し上げてまいりました。

 しかし、残念ながら、消費増税がらみのトラブル法律相談事例が発生してきました。

 その内容は、消費税増税に伴う急激な駆け込み需要により、「メーカーの生産体制が追いつかず、建築資材の入手が困難」という理由や「現場作業者の人員不足」を理由とした工事が一時、ストップしてしまう事案に対する対応策の法律相談です。

 消費税増税に伴う急激な駆け込み需要は、予測されていたものであり、できれば「ゆとりのある工期設定」を頂きたいところなのですが、これまでの長い慣例からギリギリ狙いの工期設定をしていた住宅会社が、工事ストップの事態に、この工事ストップの理由をお施主さんに説明しなければならない事態が生じているのです。もしかしたら、読者の皆様方の中にも同様の対応で悩まれている会社もいらっしゃるかもしれません。

 まず、取っていただきたい対応は、直ちにお施主さんに工事ストップの事実を報告することです。放っておいてお施主さんからいきなりクレームを受けてしまう事態は回避していただきたいと思います。メーカーや各業者から最新の正確な情報を取得し、正しい説明を心掛けていただきたいと思います。メーカーや各業者の担当者に対して「徹夜でも何でもして間に合わせろ!」というのは、いけません。メーカー社員にも各業者の社員にも労働基準法は適用されますので、働くにも限界があるのです。

 次に、工期変更の合意書の締結も検討していただきたいと思います。

 工事が遅れれば、請負契約書にて定めた工期は、ずれこみます。この遅れる工期をそのまま放置してしまえば、工事完成→最終代金請求段階で、遅延損害金を請求され、請負代金回収トラブルが生じてしまうリスクがあります。

 消費税増税に伴う急激な駆け込み需要により、「メーカーの生産体制が追いつかず、建築資材の入手が困難」「現場作業者の人員不足」という事態は、少なくとも住宅会社の責めに帰すべき理由により発生した問題ではないというスタンスでお施主さんとの合意のもと、工期を延長する協議を心掛けていただきたいと思います。

 このときに忘れてはいけないのが「工期延長合意書」の書面化です。書面化によるトラブル回避に努めていただきたいと思います。

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏

≪Profile≫日本で唯一の住宅業界を専門とする弁護士法人匠総合法律事務所の代表社員弁護士。住宅・建築紛争を数多く取り扱っている。平成13年4月に現在の弁護士法人匠総合法律事務所の前身である秋野法律事務所を開設。
◆秋野氏の著書◆

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